
「名古屋市で地盤が固い地域はどこか」家を建てるうえで気になる方は多くいらっしゃいます。
そこで本記事では、名古屋市の公式資料をもとに、市内の地形区分と16の区それぞれの想定震度について整理します。
守山区や名東区、天白区、緑区といった東部丘陵地が地震に強いイメージがありますが実際はどうなのか、確認しましょう。
- 名古屋の地盤は洪積台地・沖積平野・丘陵地の3つに分かれ、名古屋市が「地盤が良好」と示すのは中央部の洪積台地です
- 16区の想定震度には差があり、過去の地震を考慮した最大クラスで震度6強が想定されるのは港区・南区・緑区・天白区の4区です
- 東部の丘陵地には谷や沢を埋めた盛土造成地があり、標高の高さだけでは地盤の強度を判断できません
- 計測震度が最小と予想される守山区は同じ区内で4.6から6.1まで幅がありますので土地ごとの地盤調査による判断も必要です
Contents
名古屋の地盤は3つの地形に分かれる|台地・低地・丘陵

名古屋市は、資料「震災に強いまちづくり方針」のなかで、市内の地形を3つに整理しています。
地盤の傾向はこの区分におおむね沿っていて、候補地がどの地形に当たるかを確認することが地震に強い家づくりの始まりです。
| 地形区分 | 該当するエリア | 標高の目安 |
名古屋市の記述
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| 中央部の洪積台地 | 中区・東区・昭和区・瑞穂区を中心に、南区・熱田区の一部 | 約10〜15m |
「全般的に地盤が良好となっています」
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| 北部・西南部の沖積平野 | 北区・西区・中村区・中川区・港区・南区、熱田区の一部 | 低地(最も低いところで海抜約−1.73m) |
「地盤が軟弱で、海抜ゼロメートル地帯を含む低地となっています」
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| 東部の丘陵地 | 守山区・千種区東部・名東区・天白区・緑区 | 約50〜100m(最高点は東谷山 約198m) |
「大規模に谷や沢を埋め立てた盛土造成地が数多く存在しています」
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〈出典〉
地盤に関連する情報以外の、名古屋市で注文住宅を建てる場合の特徴は以下の記事でまとめていますので、あわせてご参考にしてください。
【関連ページ】:名古屋市で注文住宅・建替えをお考えの皆様へ
16区の想定震度比較|震度と浸水可能性

名古屋市は南海トラフで発生する地震について、過去の地震を参考にした「過去の地震を考慮した最大クラス」と、マグニチュード9.0を想定した「あらゆる可能性を考慮した最大クラス」の2つに分けて被害予測を行っています。
いずれの想定でも以下のとおり16区それぞれの計測震度が公表されています。
計測震度とは、震度計で計測される数値で、この数値をもとに震度5強や6弱といった震度階級が決まります。
| 区 | 過去の地震を考慮した最大クラス(最小〜最大) | あらゆる可能性を考慮した最大クラス(最小~最大) | 津波による浸水深1cm以上の面積割合(過去の地震を考慮した最大クラス) |
| 千種区 |
5.4(5強) 〜5.7(6弱) |
5.5(6弱) 〜6.1(6強) |
0.0% |
| 東区 |
5.4(5強) 〜5.7(6弱) |
5.5(6弱) 〜6.1(6強) |
0.0% |
| 北区 |
5.4(5強) 〜5.7(6弱) |
5.5(6弱) 〜6.2(6強) |
0.0% |
| 西区 |
5.4(5強) 〜5.7(6弱) |
5.6(6弱) 〜6.4(6強) |
0.0% |
| 中村区 |
5.5(6弱) 〜5.8(6弱) |
5.9(6弱) 〜6.5(震度7) |
0.0% |
| 中区 |
5.5(6弱) 〜5.8(6弱) |
5.6(6弱) 〜6.2(6強) |
0.0% |
| 昭和区 |
5.4(5強) 〜5.8(6弱) |
5.4(5強) 〜6.0(6強) |
0.0% |
| 瑞穂区 |
5.4(5強) 〜5.9(6弱) |
5.5(6弱) 〜6.3(6強) |
2.4% |
| 熱田区 |
5.6(6弱) 〜5.9(6弱) |
5.7(6弱) 〜6.2(6強) |
41.0% |
| 中川区 |
5.6(6弱) 〜5.9(6弱) |
5.8(6弱) 〜6.5(震度7) |
52.4% |
| 港区 |
5.6(6弱) 〜6.1(6強) |
5.9(6弱) 〜6.7(震度7) |
60.9% |
| 南区 |
5.5(6弱) 〜6.2(6強) |
5.7(6弱) 〜6.6(震度7) |
52.9% |
| 守山区 |
5.0(5強) 〜5.7(6弱) |
4.6(5弱) 〜6.1(6強) |
0.0% |
| 緑区 |
5.5(6弱) 〜6.0(6強) |
5.6(6弱) 〜6.5(震度7) |
2.8% |
| 名東区 |
5.4(5強) 〜5.7(6弱) |
5.4(5強) 〜6.1(6強) |
0.0% |
| 天白区 |
5.4(5強) 〜6.0(6強) |
5.5(6弱) 〜6.2(6強) |
0.0% |
※津波による浸水深1cm以上の面積割合は、特定の地震想定における津波浸水面積を区の全面積で割ったものです。0.0%でも、洪水・内水氾濫・高潮などの浸水リスクがないとは断定できないことから、各災害のハザードマップもあわせて確認が必要です。
〈出典〉名古屋市 震度分布・津波高等
過去の地震を考慮した最大クラス|震度6強が想定されるのは4区
本想定は、宝永地震(1707年)、安政東海・安政南海地震(1854年)、昭和東南海地震(1944年)、昭和南海地震(1946年)など、おおむね100年から200年の間隔で繰り返し発生している地震を参考に設定されています。
名古屋市の資料では、市内で震度6弱の地域が大きく広がり、4区の一部で震度6強が想定されています。
表の数値を見ると、最大の計測震度が6.0以上となるのは港区(6.1)、南区(6.2)、緑区(6.0)、天白区(6.0)の4区です。
ここで注目したいのは、緑区と天白区が東部の丘陵地に属する区であるという点で、標高の高い丘陵地でも6強の揺れが想定される可能性が含まれています。
あらゆる可能性を考慮した最大クラス|震度7が想定されるのは5区
「あらゆる可能性を考慮した最大クラス」の地震は、マグニチュード9.0の地震を想定したもので、内閣府の南海トラフの巨大地震モデル検討会が示したケースのうち、名古屋市の震度と液状化の可能性が最も大きくなる陸側のケースが利用されました。
市の資料では、5区の一部で震度7が想定されています。
表で最大値が6.5以上に達しているのは、中村区(6.5)、中川区(6.5)、港区(6.7)、南区(6.6)、緑区(6.5)の5区です。
緑区は「過去の地震を考慮した最大クラス」とあわせて2つの想定の両方で上位に入っており、丘陵地であることが揺れの小ささに直結するわけではないことが数値から読み取れます。
【関連コラム】:愛知県で南海トラフ地震に備える|2026年最新想定と地震に強い家
浸水の想定は区によって0%から60.9%まで開きがある
揺れとは別に、津波による浸水の想定も区ごとに異なります。
過去の地震を考慮した最大クラスで、区の面積に対する浸水深1cm以上の面積の割合を見ると、港区が60.9%、南区が52.9%、中川区が52.4%、熱田区が41.0%と高い値を示しました。
一方で千種区・東区・北区・西区・中村区・中区・昭和区・守山区・名東区・天白区の10区は0.0%です。
地震に強い家を検討する場合、あわせて津波被害にも備えて土地探しや仕様検討をしましょう。

名古屋市では、いずれの地域においても地震の被害に遭遇する可能性は避けられません。
地震に備えるためには、耐震等級3など地震に強い仕様のハウスメーカーを選ぶことも有効です。
耐震等級3を標準仕様とし、制震技術にも対応しているactie(アクティエ)まで、お気軽にご相談ください。
「丘陵地なら安心」と言い切れない3つの理由

標高が高い東部の丘陵地は、低地と比べれば揺れにくく、浸水の想定も小さい傾向があります。
ただし名古屋市の資料と想定震度から確認すると、丘陵地であれば安心と言い切れない理由も見えてきます。
| 理由 | 不安視する現象 | 名古屋市の資料に記載の事柄 |
確認したいポイント
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| 盛土造成地がある | 谷や沢を埋めた部分は、揺れが増幅される可能性がある | 東部の丘陵地に「大規模に谷や沢を埋め立てた盛土造成地が数多く存在」 |
宅地造成の時期、盛土と切土の別
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| 液状化の可能性がある(河川沿いの場合) | 砂質の地盤で地下水位が浅いと、揺れで地盤が液状化する可能性がある | 「市西部および天白川などの河川沿いに、液状化可能性が大から中に評価される地域が広がっている」 (天白川は天白区・緑区・南区を流れる) |
液状化可能性分布で、候補地が該当しないか確認(該当する場合、適切な対策を取る)
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| 同じ区でも敷地によって条件が変わる | 部分的な盛土などで揺れの性質が変わる | たとえば守山区の計測震度は、あらゆる可能性を考慮した最大クラスで最小4.6(5弱)〜最大6.1(6強)と1.5の幅がある |
区名ではなく、候補地の街区単位で評価を確認する
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名古屋市周辺には、一宮市や春日井市、長久手市など魅力的な市町村が多く存在します。
災害リスクの低減や土地の取得金額軽減につながる可能性もありますので、検討するエリアを広く取ることもおすすめです。
愛知県全域の家づくりについては、以下の記事でご紹介しています。
【関連ページ】:愛知県で注文住宅・建替えをお考えの皆様へ
候補地の地盤を自分で確かめる3つの手順

区ごとに想定されている震度は、候補地を絞り込む目安としては有効です。
ただし、同じ区のなかでも条件が変わりますので、最終的には具体的な土地ごとに確かめることになります。
公開情報で地域の傾向を確認し、現地と造成履歴を調べたうえで、地盤調査の結果をもとに専門家が基礎や対策を検討する、という3つの段階をご紹介します。
| 手順 | 確認するポイント | 分かること | 注意点 |
| ①公開情報で傾向をつかむ | 名古屋市の地震災害危険度評価図/液状化可能性分布/国土地理院の地形分類/重ねるハザードマップ など | 対象地域が台地・低地・丘陵のどれに当たるか、建物倒壊や液状化など災害の危険度の傾向 |
広い範囲を一定の条件で計算した結果であることから、土地単位の地盤の強度は反映されない
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| ②現地と履歴を確認する | 古い地形図/宅地造成の時期/周辺の擁壁の状態/周囲との高低差 | 盛土か切土か、谷を埋めた場所でないか、擁壁など構造物の安全性 |
見た目では判断しきれないため、売主や仲介会社に対して造成の経緯を確認する
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| ③地盤調査をもとに基礎・対策を検討する | スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)/ボーリング調査 など | 地盤の支持力や沈下の可能性を評価し、建物の計画に応じた基礎形式や地盤改良の要否を検討 |
購入前の調査は土地所有者の承諾が必要で実施できないことが多いため、既存の調査データでの補完を検討する
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いずれの方法についても、ご自身で確認した事項を専門家に相談するプロセスを踏むと安心です。
このため、土地の安全性を確認する段階で、依頼するハウスメーカーの目安を立てておくことをおすすめします。

候補地の条件によって、耐震のほか、浸水や液状化などへの備え方も変わります。
actie(アクティエ)では、土地の条件を踏まえた家づくりのご相談を受け付けています。
土地をお探しの段階からでも、お気軽にご連絡をください。
名古屋市の地盤に関するQ&A

名古屋市で土地をお探しの方から寄せられる疑問について、記事の内容を踏まえて回答します。
Q:名古屋市で一番地盤が強い区はどこですか?
A:区ごとの想定震度だけで「一番地盤が強い区」を決めることはできません。
名古屋市は中央部の洪積台地について、全般的に地盤が良好と説明しています。
ただし、同じ区内でも地形や造成履歴は異なるため、候補地ごとに確認する必要があります。
Q:地盤が軟らかい土地は買わない方がよいですか?
A:地盤の条件は地盤改良で対応できる範囲が広く、軟らかいから建てられないとは限りません。
ただし、改良費用が建築費に加わる形になるため、土地の価格が安く見えても総額では変わらない場合があります。
費用は地盤の状態と工法によって差が出ますので、土地の価格と改良費用を合わせて比較しましょう。
Q:ハザードマップで問題がなければ地盤調査は不要ですか?
A:ハザードマップなど、公的な資料で安全とされていても不要とは言えません。
被害想定には地域の地盤状況が考慮されていますが、個々の敷地で実施する地盤調査の代わりにはなりません。
とくに盛土造成地では、隣接する土地であっても条件が変わることがありますので、公開情報は傾向をつかむために使い、最終的な判断は土地ごとに行いましょう。
まとめ|名古屋の地盤は区ではなく、地形と造成の履歴で判断する

「名古屋市で地盤が固い地域はどこか」この疑問に対して、答えを出す方法のひとつは、公的機関の震度情報から確認することです。
ただし、同じ地域でも震度予想の幅は大きく、たとえば盛土地形があれば揺れが増幅する可能性は否めません。
このため、地域選びとともに、具体的な土地ごとに造成の有無の確認や、建築に先立つ調査を実施して個別の地盤特性を把握する必要があります。
土地選びから工法や仕様の決定まで、一貫して相談できる相手がいることが、災害に強い家づくりを進めるうえでの支えになります。
名古屋市周辺での家づくりをご検討中の方は、耐震等級3が標準仕様で、制震技術にも対応しているactie(アクティエ)まで、お気軽にご相談ください。














