
老後の住まいについて調べると「マンションは管理が楽でバリアフリー」「一戸建ては土地が資産として残る」など、メリットが強調されどちらがよいか迷ってしまいます。
本記事ではマンションと一戸建て、判断を分ける3つの条件について整理したうえで、国の調査データからどちらを選ぶべきなのかを選択できるよう解説します。
- 判断を分けるのは「車をいつまで運転するか」「階段を使えるか」「修繕費を自分で管理できるか」の3つです
- 国土交通省の令和5年度マンション総合調査では、修繕積立金について、段階増額積立方式が47.1%、計画上の積立額に対して不足しているマンションが36.6%でした
- 既存マンションでバリアフリー改修を実施した物件は19.5%でした。ただし、未改修でも新築時から対応しているケースもあります
- 住み替えを前提とせずに、これから建てる家を1階で生活が完結する形にしておく選択肢もあります
Contents
マンションと一戸建ての違いを一覧表で確認

はじめにマンションと一戸建て、それぞれの違いを整理します。
| 比較の項目 | マンション |
一戸建て
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| 移動のしやすさ | 専有部はワンフロア。共用部の段差やエレベーターの有無に注意が必要 |
1階完結や平屋にすれば段差を減らせる
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| 維持費 | 管理費と修繕積立金が毎月かかる。供用部の工事は管理組合が決める(改修・建て替えに管理組合の合意が必要) |
修繕費を自分で積み立てる。時期と内容を自分で決める
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| 防犯性 | オートロックや管理人常駐物件では高い |
防犯カメラやセンサーライトの導入で高められる
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| 立地 | 駅や商店に近い物件が多い |
選択する立地によって条件に差が大きい
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| 資産として残るもの | 専有部の区分所有権と敷地の共有持分 |
建物と土地(築年数によっては建物の価値が残らない)
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| 間取りの自由度 | 構造上動かせない壁がある。リフォームに管理規約の制限がある |
構造の範囲内で変更できる
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| 騒音 | 上下左右に住戸が接し、トラブルが起きることがある | 隣家と離れていて一般的にトラブルが起きづらい |
| ペット | 管理規約で制限される場合がある |
自由に飼育できる
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| 災害時 | 停電でエレベーターや給水ポンプが止まると生活が難しくなるが、一般的に安全性が高い |
建物自体の被害を受けやすい。耐震性能と地盤の条件で差が出る
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マンションと一戸建ての暮らしには、例としてこうした違いがあります。
求めるライフスタイルに近い条件はどちらか、検討して選択しましょう。
老後の住まいの選択は3つの条件から検討する

より具体的に、マンションと一戸建て、どちらが向いているか検討する際に重要になる要素は、次の3つです。
| 条件 | マンション向けの要素 | 一戸建て向けの要素 |
確認したいポイント
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| ①車をいつまで運転するか | 物件が、運転しなくても買い物・通院などできる立地にある | 運転しなくても生活できる立地にあり、必要な移動手段も確保できる | 候補物件から食料品店・病院・公共交通へ無理なく移動できるか |
| ②階段を使えるか | 住戸内の段差が少なく、玄関から住戸まで階段を使わず移動できる | 1階に寝室と水回りを配置できる、または平屋として建築できる |
2階に上がらない前提で生活が成り立つか
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| ③修繕費を自分で管理できるか | 管理組合による計画修繕に対応でき、積立金の増額や臨時負担にも対応できる | 時期と内容を自分で決めたい。計画的に積み立てられる | 今後の修繕計画・見積額と、毎月の積立余力を確認できるか |
自動車の運転をやめた後の移動手段や階段の負担は、現在だけでなく将来の身体状況も想定して確認します。
また、立地条件はマンション・一戸建ての双方で重要な要素です。
ご希望される方の多い30坪前後の平屋の住み心地については、以下の記事でご案内しています。
【関連コラム】:【平屋】おしゃれな内装・外観にするための工夫や気をつけたいこと・実例紹介
あわせて、特にマンションにおいて確認しておきたいポイントは、修繕積立金の現況についてです。
国土交通省が実施している「マンション総合調査」によると、修繕積立金について、以下のとおり調査結果が出ています。
| 項目 | 調査結果 |
ポイント
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| 修繕積立金の積立方式 | 均等積立方式 40.5%/段階増額積立方式 47.1% |
約半数が、購入後に積立金が上がる前提の方式。完成年次が新しいマンションほどこの方式の割合が多い
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| 積立額の不足 | 不足しているマンションが36.6%(不足額20%超は11.7%) |
計画どおりに積み立てられていない物件が3分の1を超える
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| 修繕積立金の額 | 戸当たりの平均 13,054円/月(駐車場使用料等からの充当額を除く) |
管理費とは別に毎月かかる固定費
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| バリアフリー改修の実施 | 実施したことが「ある」19.5%/「ない」71.6% |
既存マンションの約7割は未実施。実施内容の最多は手すりの設置77.7%(新築時から対応済のケースもある)
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| 旧耐震マンションの耐震診断 | 診断を行ったのは 31.6% |
築古物件では耐震性が確認されていない場合がある
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| 老朽化問題の議論 | 議論を行っていない管理組合 66.1% | 未議論の理由や修繕計画の有無を、個別に確認する |
この調査からは、修繕積立金の不足など、購入前に確認を取るべき課題があることがわかります。
多くの方の合意形成によって運営されるマンションを検討する際には、こうした長期的な視点からの確認も必要です。

マンションにも一戸建てにもメリット・デメリットがあることから、どちらを選ぶのか決めるのは容易ではありません。
まずは暮らし方を体感することも大切ですので、一戸建てを体験したい方はactie(アクティエ)の見学会へお気軽にお越しください。
老後に向けて、住まいに求める条件を先に決めておく

これから老後も含めた住まいを検討するにあたって、主には新築・建て替え、マンション購入、現在の住居をリフォームする、といった選択肢が考えられます。
いずれの方針においても知っておくべき事柄がありますので、それぞれ整理します。
新築・建て替えを希望する場合
これから家を建てる、または現在のお住まいを建て替える場合は、寸法や仕様を自由に変更できる段階で以下の事柄を設計に含めることをおすすめします。
- 1階に寝室・トイレ・浴室などを配置し、階段を使わず生活が完結するようにする
- 手すりの下地を設置して必要に応じて追加できる準備をする
- 廊下や出入口は車いすの通行・方向転換に必要な有効幅を確保し、車いすや介助の有無に合わせて寸法を設計する
- 段差を解消できるよう、スロープを設置できる場所を確保する
後回しにすると、壁の補強工事が必要になったり、間取りの変更が必要になったりして、老後の暮らしに求められる仕様を満たせなくなる可能性があります。
【関連コラム】:シニアになっても暮らしやすい平屋を建てる|2階建て住宅にも活かせるアイデアも紹介します
マンションを購入する場合
老後を見据えてマンションを購入する場合は、住戸内の暮らしやすさに加え、共用部の使いやすさや将来の維持費も確認しておきましょう。
- 道路から住戸の玄関までの段差や、エレベーターの有無・大きさを確認する
- 室内の段差や廊下・出入口の幅、水回りの配置が生活に合うか確認する
- 長期修繕計画と修繕積立金の積立状況、今後の値上げや一時金の予定を確認する
- 将来リフォームする場合に備え、管理規約による工事の制限や必要な手続きを確認する
改修に管理組合の決議が必要な場合があるなど、マンションの購入は個人では変更・改善が難しい箇所があります。
購入価格だけでなく、管理費・修繕積立金などを支払い続けられるかも含めて検討することが大切です。
現在のお住まいをリフォームする場合
現在住んでいる場所に住み続ける場合は、以下のようなポイントに注意する必要があります。
- 寝室や水回りを1階にまとめ、階段を使わず生活できるか確認する
- 手すりを取り付ける位置と、壁の下地補強が必要かを確認する
- 段差の解消や出入口の拡張など、移動しやすくする工事が可能か確認する
- 耐震性や断熱性、屋根・外壁・設備の劣化状況もあわせて確認する
手すりの設置などの部分的な工事で対応できる場合もあれば、間取りや配管の変更まで必要になる場合もあります。
希望する暮らしを実現できるか、建物の状態と工事費用をあわせて確認しましょう。

マンションと一戸建て、老後の暮らし方を検討する際は、専門家に相談することもおすすめです。
一戸建てについて疑問やご要望をお持ちの方は、actie(アクティエ)にご相談ください。
東京・神奈川・千葉・愛知・岐阜・熊本と多様なエリアで一戸建てを設計・建築した実績から、お住まいへの疑問を解消します。
老後の住まい選びについての疑問と回答

老後の住まい選びについて迷う方が直面しやすい疑問について、それぞれ回答します。
Q:老後は賃貸に住み替えるという選択肢はありませんか?
A:老後に賃貸住宅へ住み替える選択肢もあります。
修繕費を基本的には負担せず、ライフスタイルの変化に応じて住み替えができる点がメリットとなります。
ただし、家賃を支払い続けることが前提となり、例えば60歳から90歳までの30年間で考えると総額は大きなものとなります。
高齢の場合、入居審査で断られる可能性がある点にも注意が必要です。
Q:マンションの管理費や修繕積立金が払えなくなったらどうなりますか?
A:管理費や修繕積立金の支払いは区分所有者の義務であり、滞納が続けば競売として売却しなければいけないケースもあります。
特に段階的に金額が引き上げられていく段階増額積立方式を採用しているマンションでは、購入後に積立金額が上がる前提がありますので、年金収入や資産などから負担が可能なのか検討が必要です。
Q:子どもと同居や近居を選ぶ場合は、どちらが向いていますか?
A:同居では2世帯の間取りや生活時間、プライバシーの確保が、近居では移動距離や交通手段が重要視されます。
マンション・一戸建てのどちらが向くかは、家族の暮らし方によって異なります。
家族がどの程度の頻度・期間で支援できるかも話し合い、立地や間取りとあわせて検討しましょう。
まとめ|3つの条件に自分の状況を当てはめてから、住まいの形を選ぶ

老後の住まいを選ぶ際は、ご紹介した選定基準をもとに、ご自身の状況に当てはめて確認しましょう。
マンションなら共用部の段差や修繕計画、一戸建てなら1階で生活が完結する間取りと修繕費の積み立て方といったところまで具体化すると、選ぶうえでの基準が明確になります。
住み替えだけでなく、今の住まいのリフォームや建て替えも含めて、暮らしやすさと費用の両面から検討することをおすすめします。

actie(アクティエ)は、設計士とつくる完全自由設計に加え、断熱性能や保証・アフターフォローにも力を入れています。
老後を見据えた間取りと、性能・デザインを両立する住まいをご希望の方は弊社へお気軽にご相談ください。














